バディミッションBOND感想

どうも、こすもんぬです😹
今回はゲームの感想の記事。対象は2021年1月29日(金)発売、Nintendo Switchバディミッション BOND

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発売2日後に購入しほぼ毎日1時間ずつ遊んで総プレイ時間24時間で本編クリア、サイドストーリーは気になるところだけ読んだのち真のエンディングまで到達した時点でこの記事を書いています。

 

どんなゲーム?

 警官、怪盗、忍者、詐欺師。生きる世界も立場も異なる4人が、謎の組織に迫るべく、チーム「BOND」として謎の組織"DISCARD"に挑むというストーリー。

 

 基本的にはコミック風のノベルパートを読み進めていき、さらに網目状のマップに配置されたポイントを回って聞き込みを行ったり目の前の景色で気になるところを調べたりする「捜査」と捜査で得た手掛かりをもとに施設への潜入を行う「潜入」パートを繰り返してミッションをクリアしていく。

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面白かったところ

①激熱なストーリー

このゲームの一番面白いところはなんといってもストーリーである。

 

なんというか初めは乙女ゲーチックな展開のゲームなのかと思っていたが「相棒(バディ)」をテーマに友情や信念、家族愛、仲間といった心が熱くなるような要素が詰まっているゲームだった。

 

特にメインテーマのバディに関しては4人いる主人公たちの関係性を強く意識して描かれており、どの2人の関係にもバックグラウンドの全く違う者同士が絆を紡いでいく面白さがある。さらにこの関係性が捜査パートや潜入パートなどのゲームシステムにも大きく関係してくる点が楽しい。あとモクチェズしか勝たん。

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全18話で構成されるメインストーリーは序盤はしっかりと世界観を示し伏線を張り巡らせ、後半からは仲間との絆を深めながら段々と物語の核心に迫っていく(いい意味で)王道の展開。毎話続きを見たくなるような終わり方をしてくるところが憎い。またバディエピソード、サイドエピソードを見ることでメインストーリーで気になったポイントやキャラクターの裏側の掘り下げを丁寧に行っているためどっぷりとBONDの世界に浸ることができる!

 

ぜひすべてのサブストーリーを読み進め物語の真実にたどり着いてほしい。

②キャラの組み合わせ(バディ)を考えさせるミッション

 このゲームで主にプレイヤーとして介入する部分である捜査、潜入パートには基本的にチームBONDの中から2人(バディ)を選んで挑むことになる。

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捜査パートでは移動可能な距離と情報を聞き出せる人物、また特定の2人でしか聞き出せない情報といった制約の中で捜査を進めていくことになる。そこに至るまでのキャラクターの個性と関係性をもとに上手く捜査を行える2人を選ぶのがポイントで、さらにどのルートで情報を聞き出すかを考えてできるだけ手数を少なくすると評価が高くなる。これまでの情報から最適解を導いていく過程はなかなか楽しい。

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また捜査でも潜入パートでもバディによって会話や演出が変わり状況に応じて自分が見てみたいバディでミッションに挑むことができる

③コミック風の演出やBGMで雰囲気も◎

 「アイシールド21」や「ワンパンマン」の作画担当で知られる村田雄介氏がデザインを手掛ける個性豊かなキャラクターたちと漫画チックなコマ割りの演出や静止画をうまくつなげたムービーに加えて、シーンに合った迫力があり時には美しく悲しいBGMがゲームを盛り上げている。

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個人的にメインテーマソングかつエンディングソングである「Meteorite」という曲が結構刺さった。

               ↓↓↓

   (エンディング映像なのでネタバレ避けたい人は見ないでね!)

youtu.be

いまいちだったところ

①潜入パートのつまらなさ

捜査パートでは潜入する施設にどのような仕掛けがあって、それをどのように突破するのかといった情報を人々から聞き出したり資料を見たりすることで集めていく。

 

ただ捜査によって得られる情報はかなりはっきりとしたものが多いため捜査が終わったときには潜入においてプレイヤーがやることはほとんど分かり切った状態となる。その後3Dのキャラクターを操作する潜入パートに挑むことになるが初めて潜入する施設であるものの新鮮味は無く捜査をおさらいしていくだけの単調なものとなっている。

 

正直捜査はもう少し情報を不確定にしておいて潜入で色々調べながら進んでいくほうが3Dキャラクターを自由に動かして見て回れるという点を活かすことができたんじゃないかなと思う。

 

例えばカジノ街地下に潜入した時、「ディーラーの右側に立つとサングラスにカードが反射する」という情報があったが「反射する」という情報だけにとどめて潜入時に自分の足で確かめれるといったようなものがもっとあればよかったと思う。また最後の潜入での「マダム・ポテトフライのアリア」の仕掛けも捜査で楽譜を手に入れることができるためその通りに音符を動かすだけだった。あれも情報は録音した音色だけにして自分で音符を動かしながら正解の楽譜を作り出したりすればつまらないとは感じなかったと思う。

 

逆にACE本社での「近づくと振動が大きくなるセンサー+迷路」みたいな捜査による情報と3Dで動きまわれる潜入がうまく組み合わさって解けるような仕掛けは楽しむことができた。

 

とにかくせっかく自由に動ける潜入パートが単なる作業に感じられるのは残念だなと感じた。

あとQTEも思った以上にシビアなところもあってヒーローゲージが減っていくのがつらかった(:_;)

②ストレートすぎるヒントと分かり切った選択肢

 先ほど述べたこととも共通するが得られるヒントがストレートすぎて正しい選択肢がまるわかりなことが多いと感じたがこれは悪いところだったともいいにくい。個人的には「こんな分かり切ってる選択肢で時間をかけさせるなよ!」とも思ったが、時間を空けてこのゲームをプレイする人にとって見ればストーリーを思い出したり理解するのに役立っただろうし、そもそも推理ゲームではないからしっかりと物語をプレイヤーが理解できているか確かめるためにもこのくらいでよかったのかなとも思った。

③ヒーローゲージ

このゲームでの選択肢はルークの視点で選ぶものが多く彼の”ヒーローになる”という目標はストーリー中でも大切な部分である。なので選択肢の中でヒーローとして最も適切なものを選ぶのが正解ということになりヒーローゲージと呼ばれる評価ゲージが増える。このような選択をHERO CHOICE!とよんでいる。
どれを選んでも正解不正解のないCHOICEという選択肢もあり、また他にTHINKING TIME中の選択肢は正解不正解はあるものの不正解を選んでもそれを選んだちょっと面白い結果が見れるうえにもう一度チャレンジできるといったものだった。

 

これに関して個人的には全部とは言わないまでもCHOICEやTHINKING TIME選択肢のようなどれを選んでもいいようなものを増やしてほしいと感じた。HERO CHOICEの中にも別の選択肢を見てみたいと思うものはそこそこあったし、逆にちょっとしたニュアンスの違いやヒーローとは関係ないような事柄でもHERO CHOICEになっていることがあり間違えるとヒーローゲージが減ってしまうため下手に選べなかった。

 

また捜査で結果的に関係がない場所を訪れた際にヒーローゲージが下がるというのはあまり納得がいかなかったし、すこしタイミングが計りずらいQTEの失敗によってもヒーローゲージが下がってしまうのも”ヒーローっぽくない”というのは分かるが単純に悲しかった。あとQTEのボス戦あとにヒーローゲージを上げる手段がないのもつらかった

 

ヒーローゲージという評価指標があるからプレイヤーの自由度を狭めているともいえるし、逆にヒーローゲージによって本来あるべきストーリーを追えるようになっているともいえる。

まとめ

最終的なこのゲームの感想は辛辣な言い方にはなるが「高得点のノベルゲームに余計なものがついてきた」となる。
シナリオは抜群に面白く、コミック風の演出もよくできていたし単純にノベルゲームとしては多くの人に受けるだろうなと思った。ただそこに捜査パートとクオリティが高いとは言えない潜入パートがおまけとは考えにくいボリュームで存在していて正直ゲームのテンポを悪くしていたと思う。捜査パートはバディの組み合わせを考えさせるようなこのゲームのテーマにもあったいい出来だったと思うがそれゆえ後の潜入パートがつまらなく感じて残念だった。

 

ノベルだけでなく捜査や潜入によってプレイヤーがより物語に入り込むことができるようにするといった新しい挑戦をしているゲームだなと感じた。潜入さえどうにかなっていたら普通に人にオススメしたい