ゲームに関する著作権を学ぶ

どうも、こすもんぬです😏

 

夏はエアコン付けてると涼しいけどぐだってしまって逆にやる気が下がることが多いです。

 

今回は「ゲームに関する著作権について」まとめてお勉強していきたいと思います。

 

著作権とは

さてそもそも著作権とは絵画、映画、小説、プログラムといった独創性を有する作品や文化の発達を手助けするために設定されています。

 

主な目的は2つ

・作者の権利を保護すること

・作品の公正な利用機会を与えること

です。

 

身勝手な利用を取り締まりつつも、規制が厳しすぎると文化発展を妨げることになるので利用できる条件を適切に設定してやろうってことですね

 

著作権といっても中身はいくつかの権利が集まったものであり、著作者の人格的利益を守る著作者人格権と著作者の経済的利益を保護する「著作財産権」の二つに分かれます。また逆に著作権知的財産権に属しています。

 

 

さてゲームを保護している著作権としては大きく2つあって

*ゲームプログラムを「プログラムの著作物」として保護する考え方

*ゲームによって映し出される映像を「映画の著作物」として扱う考え方

で守られています。

そこにプラスしてゲーム内の画像や音楽に対して著作権があります。

 

映画の著作物であるという点がゲームにとって非常に重要になってくるので覚えておきましょう。

 

 

ゲームを作る際の著作権

著作権の話といっても事例は山ほどあるので、いくつかよくある問題に分けてみました。まずはゲーム制作に関する著作権の問題。

 

例えばアイデアを盗んだとか、キャラクターが似てるとか、パクリとか、写真イラストの無断使用とかそんなやつ

 

 

最近問題になっていたのはカプコンの「バイオハザード4」に無断で写真を使用されたとしてアーティストが提訴したというのがありました。
これに関しては素材となった写真の著作権が侵害された(可能性がある)ことになります。

 

またキャラクターが似てるとかアイデアが一緒といったゲーム(PUBGと荒野行動とか)では著作権はどうなっているのでしょうか?

 

この場合はゲームデザイン(ルールとか)が単なるアイデアなのか、アイデアを超えた創作性が認められるのかがポイントになります。

 

2014年に行われたグリーがモバゲーを訴えた釣りゲーに関する裁判ではグリーの釣りゲームの魚を釣り上げる画面に対して過去のゲームにはなかった創作性のあるものと判断されモバゲーに対して「釣りゲータウン2」の配信差し止めと損害賠償の支払いが命じられました。

 

韓国の事例では2社がゲームデザインに関して裁判で争った結果、「ゲーム規則は抽象的なゲームの概念やジャンル、ゲームの展開方式などを決定する道具としてゲームを構成する1つの素材であるだけで、著作権法上独立的な保護客体である著作物には該当しない一種のアイデア領域に該当し、アイデアはたとえそれが独創的なものであるとしても著作権法で保護されず、原則的に誰でも利用可能な公共の領域に該当するので、ゲームが市場にリリースされれば特別な事情がない限り、他人が類似のゲーム規則に基づいて他のゲームを開発することを著作権によって禁止することはできない。」

引用:

https://www.jetro.go.jp/world/asia/kr/ip/case/2017/3bb7ad70d7d41964.html

 

として著作権を侵害していないとされています。

 

 

また他にはマジコンやPSPのROM無料ダウンロードサイトなどゲームソフトを無料で複製して遊ぶ手段は10年くらい前に非常にはやっていて、それ以前にもゲームはコピー商品と常に戦ってきました。もちろんこれも立派な著作権侵害(プログラムの著作物)です。

 

ゲーム配信・実況に関する著作権

ここ数年でかなりメジャーになったゲーム実況・配信に関する著作権についてです。


まあ結論から言うとゲーム会社のガイドラインに従えということになります

 

無断でのゲーム映像のアップロードは著作権法上は上映権、公衆送信権などの侵害に当たるためパブリッシャーの許諾が必要となります。ただゲーム配信・実況がゲームの広告宣伝効果を持つことが多くなっているため許諾してガイドラインを詳しく定めている企業が多いです。

 

任天堂の「ネットワークサービスにおける任天堂の著作物に利用に関するガイドライン」を見てみましょう。

www.nintendo.co.jp

 

任天堂のゲームのプレイ動画や静止画に加えてプレイヤーの個性や創造性の含まれるものであれば投稿が可能。またそのような動画で収益化を行うためには「Youtubeパートナープログラム」や「Twitchアフィリエイトプログラム」など指定されたシステムを利用する必要があるとされています。

 

だいぶ分かりやすいですね。

 

またストーリーのあるゲームだと動画配信はネタバレになってしまうのでいいことがなさそうに思えます。ストーリーのゲームといえばRPGスクエニガイドラインを見てみましょう。

 

スクエニは作品ごとにガイドラインを設定しているようです。

www.dragonquest.jp

新しいものだとドラクエは2021年に設定されていて、例えばドラクエ11Sだと

著作権者の表示

・シナリオに大きくかかわるシーンの配信には自主的に「ネタバレあり」の表記をお願い

・通常のプレイではなくムービーシーン、楽曲のみの切り抜きはアウト

・商用利用は指定のシステムのみに限る

などなど

という風になってます。

 

やっぱりネタバレに対しては対応してほしいということのようですね!

 

e-sportsに関する著作権

e-sportsに関しては配信・実況によってゲーム自体が盛り上がるため特に企業側がガイドラインを細かく設定している場合も増えています。

 

まず問題と考えられそうなのは大会などで第三者にゲーム映像を見せることがゲームの「映画の著作物」の観点からパブリッシャーの許諾が必要になるのではないかということです。

これに対してはゲームタイトルごとに専用のガイドラインを定めていることが多く、ガイドラインに定められていない場合は事前の確認を行うことが必要となる。特に賞金や参加費用といったお金に関することもここで定めているパブリッシャーも多い。

 

これは先ほどのゲーム実況・配信とほとんど同じ対応だがゲーム自体が配信を前提としていたり大会モードを搭載していたりと配信に関して寛容である場合が多い。

 

またe-sportsはテレビ放送に進出していくことを狙っている部分もあるが様々な権利者が存在するためゲーム映像の利用許諾が煩雑になっていて難しい。

 

 

 

もう一つ問題とされるのがe-sportsカフェやゲームバーのようなゲームの体験ができる施設であり、営業者が不特定多数の来場客にゲームのプレイ映像を見せているとして上映権を侵害しているという考えがある。
 自分がゲームのアカウントを保持していて施設にてゲームをプレイする場合にはゲーム機の貸し出しだけなので上映権を行使しているとしないなどの考え方もあるが、事業者自身がゲームパブリッシャーに許諾を得ることが一番いいとされる。

 

 

まとめ

著作権の基本的な考え方と、ゲームがプログラムと映画の著作物であること、いくつかのゲームに関する話題を見てきました。

 

とにかくゲームパブリッシャーの定めるルールに従えってことらしい。

 

といってもパブリッシャーごとにルールがさまざまであると問題が発生しそうだしそれ以上に「ゲームの著作物」として新たに著作権に関する法律を作るのが楽そうではある。